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一般皮膚科
アトピー性皮膚炎
アトピーと言う言葉は1920年代になって使われるようになったのですが、それは奇妙な(アトピーの原意)という意味から来ています。家族内あるいは家系内に出現する奇妙なアレルギー病を意味しています。病気としてはアレルギー性の喘息、故草熱(アレルギー性鼻炎あるいは花粉症に相当)がアトピーの代表でした。
アトピー性アレルギーでは、免疫グロブリンE(IgE)抗体が病気の発症に関与します。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎という名前が付けられたのは1930年代になってからです。アトピー性素因、つまりアトピー性疾患を家族に持ち、IgEを作りやすい体質の人に起こる、慢性の湿疹のことをアトピー性皮膚炎と呼ぶようになりました。
今述べたように、アトピー性皮膚炎は湿疹の一種ですから、一つ一つの皮疹だけを見れば、ただの湿疹と同じです。また、アレルギーが関与しているのは間違いないのですが、それ以外にも多くの原因があります。
診断基準の実際
1977年に初めてHniffinとRajkaによって提案されました。その後厚生労働省の研究班、日本皮膚科学会により提案されました。
日常診療における臨床的診断基準
上記の診断基準はいずれも複雑すぎる傾向があります。実際の診療の現場で落としてはいけないことが3つあります。
- 臨床的に湿疹で特徴的な部位に発生すること
- 強い痒みがあること
- 慢性に(数年~十数年)にわたって増減を繰り返して経過すること
治療方針
厚生労働省のアトピー性皮膚炎の治療ガイドラインにそって、スキンケア、外用療法(ステロイド、非ステロイド)、内服療法(抗アレルギー剤による止痒をおもに)を基本として行います。
治療方法
薬物療法
1.外用薬
ステロイド外用薬を中心に用います。ただし、その強さ、剤形(軟膏、クリーム、ローション、貼付薬など)を症状、部位、年令などを考慮して細かく使い分けます。
また、保湿剤も基礎に使用します。
最近は新しい外用薬である免疫調整剤も状態により用います。
2.内服薬
内服薬は痒みを取るのが主な目的です。かくことが最も大きな悪化因子の一つなので痒みを取ると言うことは重要です。抗アレルギー剤と抗ヒスタミン剤を使用します。
最重症例ではステロイド剤の内服も厳格なコントロールの上で投与します。
また、漢方薬を使用することもあります。
スキンケアと食事療法
1.スキンケア
アトピー性皮膚炎の治療をする上で最も重要なものの一つです。スキンケアとは本来は健康な皮膚を維持することが目的ですが、その手技としては皮膚を清潔に保つことと保湿が重要な課題となります。具体的には毎日、入浴またはシャワーで低刺激の石けんを使って(ボデイソープは石けんでない)刺激を与えないように汗と汚れを落とす。ごしごし洗うと悪化のもと、ナイロンタオルは悪化の最原因、軽くなでるだけで十分。その後で適切な外用薬や保湿剤を塗る。
2.食事療法
以前は食物アレルギーがアトピー性皮膚炎の原因と言われていたこともありましたが、その関与は一部に留まることが分かって来ました。特に食物アレルギーが悪化原因となっている患者さんは3才以下がほとんどです。その食べ物も、卵、乳製品、大豆製品が多くを占めます。3才をすぎて、アトピー性皮膚炎の悪化因子に食物が関係することは希です。
ただし、原因食物がはっきりしているときは、アレルギーの強さの経過を追いながら、指導していきます。先ほど述べましたように、3才を過ぎると食物アレルギーのほとんどは消滅します。
3.その他
衣類、洗濯、入浴、寝具、住環境、プール、海水浴などについて指導します。
特殊な療法、減感作療法、光線療法、細菌ワクチン、海水療法、温泉等入浴療法は効果があっても一部の人のみで、多くの人には効果が確認されて無く、逆に悪化の原因となることも多いので、進めていません。
慢性蕁麻疹(まんせいじんましん)
蕁麻疹は膨疹、すなわち紅斑を伴う一過性、限局性の浮腫が病的に出現消退する疾患であり、多くは痒みを伴います。皮膚または粘膜の深部を中心とした限局性浮腫は、血管性浮腫と呼びます。
蕁麻疹の病態
• 蕁麻疹では、皮膚マスト細胞が何らかの機序により脱顆粒し、皮膚組織内に放出されたヒスタミンを始めとする化学伝達物質が皮膚微小血管と神経に作用して、血管拡張(紅斑)、血漿成分の漏出(膨疹)、および痒みを生じます。• 蕁麻疹には、I 型アレルギーを機序とするもの以外に、種々の物理的刺激や薬剤、運動、体温上昇などに対する過敏性によるもの、明らかな誘因なく自発的に膨疹が出現するものなどがあり、症例によりこれらの機序のいずれか、または複数の因子が複合的に関与して病態を形成すると考えられています。
蕁麻疹の主たる病型
これらの分類は、主として臨床的な特徴に基づくもので、2つ以上の蕁麻疹の病型が認められたり、これらの分類にあてはまりにくいものもあります。1.特発性蕁麻疹(自発的に皮疹があらわれる)
1. 急性蕁麻疹:発症してから1ヵ月以内2. 慢性蕁麻疹:発症してから1ヵ月以上(原因不明のことが多い)
2.刺激誘発型の蕁麻疹(特定刺激ないし負荷により皮疹を誘発することができる蕁麻疹)
3. アレルギー性の蕁麻疹4. 食物依存性運動誘発アナフィラキシー
5. 非アレルギー性の蕁麻疹
6. アスピリン蕁麻疹(不耐症による蕁麻疹)
7. 物理性蕁麻疹:(機械性蕁麻疹、寒冷蕁麻疹、日光蕁麻疹、温熱蕁麻疹、遅延性圧蕁麻疹、水蕁麻疹、振動蕁麻疹(振動血管性浮腫))
8. コリン性蕁麻疹
9. 接触蕁麻疹
3.血管浮腫
10. 特発性の血管性浮腫11. 外来物質起因性の血管性浮腫
12. C1エステラーゼ阻害因子:(C1-esterase inhibitor)の低下による血管性浮腫
(遺伝性血管性浮腫(hereditary angioedema)、自己免疫性血管性浮腫など)
4.蕁麻疹関連疾患
13.蕁麻疹様血管炎14.色素性蕁麻疹
15.Schnitzler症候群
16.クリオピリン関連周期熱:(CAPS:cryopyrin-associated periodic syndrome)
日本皮膚科学会蕁麻疹診療ガイドライン.2011より。
慢性蕁麻疹の治療法
蕁麻疹の病型と治療目標
蕁麻疹はまず臨床的にその種類を診断し、個々の症例の特徴を踏まえて治療内容を立案することが大切である。特定の刺激に反応して皮疹が現れる場合(刺激誘発性の蕁麻疹と一部の血管性浮腫)では膨疹を誘発する直接的刺激を回避することがより大切であり、自発的に皮疹が現れる(特発性の蕁麻疹及び多くの血管性浮腫)では抗ヒスタミン薬を基本とする薬物療法が中心です。蕁麻疹・血管性浮腫における当面の治療目標は、治療により症状出現がない、または生活に支障のない程度まで制御されている状態にあり、多くの場合はこれらの段階を経て、最終的に薬剤を使用することなく症状が出現しない状態に至ることを期待し得ます。また、その過程で行われる薬物療法においては、効果と副作用のバランスを十分に考慮することが大切です。
特発性の蕁麻疹に対する薬物治療手順
治療内容は、蕁麻疹の症状と効果に応じてステップアップし、症状軽減が見られれば高いステップのものから順次減量、中止します。薬剤内服期間の目安
症状の出現を完全に抑制し得た場合には、引き続き同じ薬剤の予防的な内服を継続し、一定期間症状が出現しないことを確認した後、1日当たりの内服量を減量、または内服の間隔をあけます。症状消失後の予防的内服期間
急性蕁麻疹であれば数日から一週間程度、慢性蕁麻疹(病悩期間1-2ヵ月)であれば1ヵ月、それ以上の慢性蕁麻疹では2ヵ月を目安とします。日本皮膚科学会蕁麻疹診療ガイドライン2011により。
水虫(足白癬)
水虫(足白癬)の治療法
抗真菌剤の外用(外から塗る)を主とします。外用剤には、液剤、クリーム剤、軟膏剤、スプレーがあります。
細菌感染、接触性皮膚炎などの合併症があれば、それぞれ抗生物質内服、抗消炎剤外用・内服等を併用します。
爪白癬は難治性のため、抗真菌剤の内服を併用することも多くあります。
内服方法は連日投与、一ヶ月に一週間内服するパルス療法等があります。
ニキビ(尋常性ざ瘡)
ニキビは尋常性ざ瘡という皮膚の病気です。
ニキビの出来る主な原因
1.過剰な皮脂の分泌2.毛穴の出口が角化してつまる
3.ニキビ菌の繁殖
ニキビ(尋常性ざ瘡)の治療法
まずは診察をして、部位、症状をよく観察して、生活習慣などについて質問します。その後で、一人一人に合った薬を処方します。
また、ニキビに適した石けんなども紹介します。
飲み薬
ビタミンのB2,B6や抗生物質(菌の繁殖を抑える薬)炎症を抑える薬などを処方します。人によってはホルモンのバランスを整える薬や漢方薬を処方します。塗り薬
菌の繁殖を抑える薬や皮脂の分泌を抑える薬などが処方されます。皮疹の状態により細かく使い分けます。特殊機器
中波紫外線療法
紫外線の免疫抑制作用を利用して、過剰反応を起こしている皮膚の症状を沈静化させる「光線療法」と呼ばれる治療法。
尋常性乾癬、掌せき膿ほう症、尋常性白斑、円形脱毛症、慢性痒疹、アトピー性皮膚炎に効果があります。
中波紫外線療法と言い特殊な領域の紫外線を照射します。
1)ナロウバンドUVB照射器
当院の使用するナロウバンドUVB照射器はデルマレイー200です。ランプハウスの回転・上下動によりさまざまな部位に照射できます。
・PUVA療法登異なりソラレンを必要としません
・PUVA療法と同等の効果があるとされています
2)エキシマライト
当院の使用するエキシマライトはUSHIOのセラビームUV308です。世界初の技術で作られたエキシマフィルターで安心・安全です。特に掌蹠膿疱症と白斑に効果があります。